皮膚の巻き込み動作により、皮膚表面のすべての組織をその厚み全体に渡って私の指先の間でで数分間あらゆる方向に動かした。

軽擦法、パッティング法や渦巻き法は、一切用いらなかった。これらの複雑な技法の代わりに、徐々に強くなる機械的刺激を用いた。ここが肝心である。

最初はやさしく、それから圧迫を加えると力と時間を徐々に増加させていった。
深部組織マッサージ一回ごとの直後に感じる感覚は、強いうっ血間と、熱を感じるほどの体温上昇、および一種の皮膚膨張である。

それにより、とりわけリラックスした感じを得られるのだ。

このような皮膚の巻き込みマッサージを施す場合、方向性を考慮する必要はない。
筋肉繊維、神経、または血管の血流の方向に気を使う必要もない。
要するに、体系的に解剖学に従う必要は一切ないのである。

一般に疲労、弛緩、並びに皮膚の張りを失うことがしわのできる主な原因であると考えることは全く正しい。したがって、深部組織マッサージが血管新生と皮膚の張りに非常に好ましい効果があるなら、私と同様に、皆さんもこの療法が強力なしわ防止手段であると考えるのが妥当である。